その才能に恋をする
考えるのをやめたいのに頭から離れない。
忘れたいのに忘れたくない。
いっそ知らない方が幸せだった?
先日のライブから心が浮ついてどうしようもない。いい歳こいて。
fox capture planのピアノメガネ、岸本亮のプレイに完全に骨抜きにされてしまったのだ。
別のバンドを見る目的で行ったライブで、初めて出会したんだけど、ふらっとやってきて、なんとなくピアノ弾いてるわ。という佇まいからの瞬間的に見せる激しさや繊細さから目が離せなくて、ただただもう心を奪われて。
あのライブから、すっかりfox一色の生活になってしまった。なんなら夢にまで出てくるほどで、恋する乙女かと思う程に執心してる自分にちょっと引く。
ちなみに顔が好きとかそういう事ではない。(ごめんなさい)
ライブの後、CDを買ったけど生音が忘れられない。ああ、そういえば恋してる時ってこんな感じだった気がする。寝ても覚めてもあなたの事で頭がいっぱい。もとい、あの音とプレイで頭がいっぱい。
勉強したいのに、youtube漁りまくって、ひたすらライブを見ちゃう。
何も手につかない。早く会いたい。(ライブに行きたい)
何かを恋しく思う気持ちなんて久々なので、ちょっとこの気分を愉しもうと思います。
才能に惚れるってこういう事をいうのかな。
泣きたい時は泣けばいい
毎日の仕事はある程度ルーチン化してるので、手足は勝手に動き物事を処理していく。
習慣って便利。心なんてなくたっていいんだもの。まるでロボット。
人と接する時だけ笑顔をつくっていたけど、胸が軋む。
言葉が胸でつかえて出てこない。
何度も深呼吸をして落ち着きを取り戻そうとしてみるけど、何も変わらない。
いつまでもこんな状態じゃダメだ。
「それじゃちびが成仏できないよ」そう夫にも言われた。
わかってる。大人なんだから、顔くらい作らなきゃ。
でも、笑えば笑う程に胸の軋みは強くなり、息苦しくなる。なんで笑ってるの?何が楽しいの?訳がわからない。
今度は叫びたい衝動に駆られる。
ねえ、なんなのマジで?
怒りにも似たおかしな興奮状態。かと思えば、また涙ぐむ。
胸が苦しい。
人間てぶっ壊れる時こんな感じ?
いい年こいた大人が場所も弁えず泣き叫べるって凄いよね。
もちろん私の事ですけど。
感情は押し流されて消えゆく
まだ死の意味をわからない子供が毎朝「ちびはもういないよ」という。
努めて冷静に「そうだね、死んじゃったからいないないね。もう会えないね」と答えるが何の感情も込めることができない。
もういない現実。
でもその言葉を言われると、聞き流している自分がいる。
どれだけ泣いたって帰ってくる事はもうないのだ。子供の言葉は真実。
わかってる。わかってる?
家にいても泣き暮らすばかりで、子供や夫も心配するので仕事へは普段通り行く。普段通り。
そして笑顔を作る。
可愛い子供を見かければ心が暖かくなるし、仕事をしない同僚にイラつきもする。心の底に重い悲しみを落としていたとしても、そうしてる間にはちびのことを考えずに済む。
考えずに済む?
このまま、喜びや苛立ちや怒りや驚きや様々な感情にこの悲しみを埋没させていくのか。
そうしなきゃいけないし、そうなるのだろう。
どんな感情も時間とともに薄れ流れゆく。
でも、この悲しみを押し流してしまったら、私の中でちびも薄く遠くなってしまいそうで怖い。
いつまでも近くにありたい。
それがいかに現実的でないとしても。
私が一生手に入れることができないと思っていた愛をくれたちびを忘れるなんて怖い。
執着?そうだね。
ちゃんと虹の橋へ行けたかな
素晴らしく晴れた空へちびは登って行きました。
外見は綺麗でしたが、事故の衝撃か頭蓋骨は崩れ、心臓に血が溜まったあとがありました。
痛かったね。苦しかったね、ちび。
何をしていても、ちびが頭から離れず、足元を見れば黒々とした毛をふわふわさせながら「なに?」って顔してキョトンとしている。そんな姿がありありと見える。
舌舐めずりをした時のペロリって音が聞こえた気がする。
トントントンとリズム良く階段から降りてくる音が聞こえる気がする。
くりっとした目で首を傾げまくるちびがいる。
そこかしこに、ちびの気配がする。
昨日は、何かして気を紛らせないと平静を保てなかった。今も。なのに、何も手につかない。
ただただ涙と嗚咽が溢れるだけ。
今の腹の中をここで吐き出す。
この悲しみはいつか癒えるのだろう。もちろん、ちびだって私の中に生き続け、心を温めてくれるほど落ち着いていくのだろう。
わかってるけれども、今のこの止めどない悲しみは、喪失感と罪悪感は癒える日がくるのか。
そんな日がくるなんて到底思えない。
もうどうしていいのかわからない。
ねえちび。
不注意の招いた結果
愛犬が亡くなりました。
庭の掃除をしている間に、柵を飛び越えて近所の公園まで遊びに行っていたのです。
犬の叫び声が聞こえた気がしたんだよ。でも、まさかチビだなんて思わなかったんだ。
チビは涼しいベットの下で誰にも邪魔されず昼寝してるんだって。
近くでカラスが鳴いたのを覚えてる。
すぐに近所の方が毛布に包まったチビを連れてきてくれた。
あっという間の出来事で、チビが轢き逃げされた事を教えてくれた。
青いスポーツカーだったとか色々教えてくれたけど、私の頭は「なぜ?」しかなかった。
あんた家の中にいたはずじゃない。
「即死だったよ」という言葉で腕の中のチビに気付く。
なんで?なんで?いつなの?どうやって?どうして?
病院で蘇生措置をしてもらった。
可能性は10%ないと言われたが、祈った。なんでもいいから、奇跡を起こして。ちびちびちびちび!戻っておいで!!!
祈りは届かなかった。
私が
チビの所在を確認してれば。
ベットの下にいるなんて思い込んでなければ。
あの叫び声で気付ければ。
カラスの声を不審に思えば。
ちびの命は今もそばにあったのかもしれない。何か一つ気をつけていれば。
ごめんね、ちび。痛かったね。
もっともっと遊んであげれば良かった。いっぱい散歩に行って、大好きなボール投げももっとしてあげれば良かった。
美味しいごはんもいっぱいあげて、ちょっとくらいイタズラしても、あんなに怒らなくたって良かった。
いつも人懐こく、初対面の人にもお腹を見せて可愛がってもらうちび。
食いしん坊で、何でも食べちゃうちび。赤ちゃん相手にも優しく遊んでくれたちび。
名前を呼ぶと尻尾を振って飛びついてくるちび。
走るとウサギみたいに耳がぴょんってなるちび。
失くして初めてちびからたくさんの優しさや愛情をもらっていた事に気付いた。
朝につまみ食いしたのを怒ったのが昔みたいに遠いのに、ひょこっと隣に部屋から出てくる気がする。
ごめんねちび。本当にごめん。
私が代わりなら良かった。
ちび。
挫折した事なんてない。
夢はあった。
小説家、歌手、保育園の先生。
でも一番の夢は「いつかここから助け出してくれる人が来てくれる」事を願ってた。
そうでなければ、虹の橋の向こうに行ける事を。
でも結局さ、そんな王子様(あるいはお姫様でもドラえもんでも何でも可)なんていやしないし、虹の橋を渡る勇気もないんだよ。
そんな風に生きてきた私に挫折なんてないわ。
でも、もうお花畑は飽きたよ。
持てる武器なんて無いけど、いざ行かん。
地獄は刺激的に違い無い。
大丈夫。命まで取られないから。
(ここに「夢と挫折」について書いてください)
Netflix火花お題「夢と挫折」
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手紙
物心がついたときから、ひとりっきりだった。
お父さんもお母さんも兄弟もいたけど、私はひとりだったよ。
寂しかったし、人の輪を求めて仲間に入ろうと思ったけど、いつもうまくいかなかったんだ。
どうしてだろう?私もみんなと一緒に遊びたい。仲良くしたい。
でもいつもうまく仲良くなれなかった。
お母さんはいつも私に言ったね。
「弟は本当に優しくて良い子だ」
「どうして弟のように出来ないんだ」と。
優しいってどんなことだろう。
どうしたら私もそんな風に褒めてもらえるの?
布団に入るときには、いつもそれを考えたけど、「お皿を割らない」事しか思いつかなかった。
そんな頭の足りない子だったからきっと子育ても大変だったよね。
「お前は人の気持ちがわからない人間だ」と言われても、さっぱりわからなかったんだもん。
お母さん
お母さん
私、「普通」になるために頑張ったよ。
たくさんの人を傷付けて、傷付けられて、裏切ったり、裏切られたり、最低な事もした。でもだから、人の気持ちも考えられるようになれたかなと思う。
いまにして、こんなに人を傷付けて生きてきた事を悔やんでいるけれども。彼らが幸せに暮らしてるといいな、と祈る事で懺悔としているんだ。
今、私の周りにいる人たちは、私が「変わった子」だからといって詰ったりしないし、「別の誰か」のように振る舞うことを強要したりしないので、とても楽しく生活しています。
12時間も呪いの言葉を吐かれる事もないし、過呼吸と蕁麻疹になってしまっても「都合の良い病気」なんて言ったりしないんだよ。
そういう人達に囲まれて少しづつだけど、私は私のままで生きて良いんだって知ったの。
そのうちに、私は自分で道を選んで、進む事を覚えたよ。
自分の選択には責任を持って生きていくことを知ったの。
だから、お母さんとはお別れすることにしました。
私の大切なものを守るために。
いつものようにお友達に愚痴ってもらって構いません。
「私はこんなに娘に虐げられている」と。
あなたの思い通りの人形になれなくてごめんね。
でも、もう人形はひとりいるからいいでしょう?
きっと私の決断は世の多数から非難されるし、いつか後悔するかもしれないけど、その後悔も受け入れて生きて行くつもりだよ。
どうか周りにこれ以上迷惑をかけずに、せいぜい長生きして下さい。
産んでくれてありがとう。
さようなら